防除ノズルにもカーボンの時代が到来!

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まいどです!

デスクワーク主体でそんなに暑い思いはしていないのに、何故か最近夏バテ気味のクリスです。

なんでしょう? 室内と野外の温度差にやられてるんですかね……。体調管理に気をつけたいと思います。

さてさて、今回は防除ノズルについてのお話です。

ここ1年ほどで徐々に防除用のノズルにカーボン素材が採用されている製品が増えてきました。

カーボン、いいですねぇ。

好きです、カーボン。

愛車のフロントグリルについてるエンブレムをカーボン柄のダイノックシートでラッピングしちゃうくらい好きなんです、カーボン柄。

車やバイク、自転車の世界ではカーボン素材のパーツも沢山ありますし、釣り竿なんかも殆どの製品がカーボンで出来てたり、趣味嗜好品では馴染み深い素材ですね。

そういった趣味の方なら、カーボン=価格が高いというイメージが強いと思います。ただ、近年では技術の発展によりだんだんとカーボンの製品も安く作れるようになってきました。

フルカーボンのロードバイク

顕著なのが自転車(ロードバイク)では無いでしょうか。フルカーボンのフレームを採用した一流メーカー品のロードも昔に比べればすごくお求めやすい値段になってきたと聞きます。

そんなカーボン素材ですが、とうとう防除用品でも採用される時代です。今回はカーボン素材の防除ノズルについてご紹介。

 

ちょっと待って! そもそもカーボンって何!?

と、その前に少しだけカーボン素材についてのお話を。

いわゆる「カーボン素材」って織り込んだ炭素繊維を樹脂等の素材で固めた物を言います。

←こんな柄、見かけたことはありませんか?

こちらは綾織りと呼ばれるタイプのカーボン素材で、車やバイクのドレスアップパーツでよく使われています。

ウィキペディア先生によると、カーボンは鉄と比較して比重が1/4、強度が10倍、さらに耐摩耗、耐熱に優れる素材との事です。

 

つまり、カーボンは繊維を固めた、鉄よりも軽くて強い素材なんですね!

カーボン素材を採用したノズルがヤマホから発売!

さて、そんな軽くて強いカーボン素材なんですが、鉄に比べて価格が非常に高いんですよね……。ただ、前述の通り最近では技術の進歩により価格もかなりこなれて来てます。

そこに目を付けたのが防除用ノズルメーカーの「ヤマホ工業」です。

従来は鉄のパイプを採用していた鉄砲系のノズルに、カーボン素材をいち早く採用し製品化してきています。

ここでちょっと補足を。

よく混同される場合が多いのですが、左の鉄砲の形をしたノズルは「ピストルノズル」です。

 

 

 

 

鉄砲ノズルはこちらの握りが付いた棒状のノズルなんです。ややこしいですよね……。

鉄砲の形はピストルノズル、棒状のノズルが鉄砲ノズルとお考えください。

閑話休題。

ヤマホから発売されているカーボンノズルは現在おおまかに以下のラインナップです。

ヤマホ 切替畦畔カーボンタイプ20型

・切り替え畦畔ノズル

ヤマホ 伸縮切替畦畔 カーボンタイプ15型(G1/4)

・切り替えスライド畦畔ノズル

ヤマホ パワフル噴口2型 カーボンタイプ

・鉄砲ノズル

ヤマホ キリナシ切替900型 カーボンタイプ

・切り替えキリナシノズル

ヤマホ 両サイドノズル カーボンタイプ

・両サイドノズル

 

今までは鉄のパイプを採用していた部分が見事にカーボン化されています。従来品から最大で30%ほど軽量化されている製品もあります。

体感的には、持ち比べるとその軽さに驚くほど軽くなっています。

 

軽量化の面ではスライド畦畔が一番その恩恵を受けていますね。スライドさせて伸ばした時に手元にくる持ち重り感がカーボンだとかなり軽減されます。

いいですね、重量が重いことによるメリットが少ない製品であれば軽さは正義です。

でもちょっと待って下さい、カーボンって軽いだけが特徴でしたっけ?

カーボンノズルの真髄は○○である!

正直な話しをすると、スライド畦畔等の長尺パイプの製品は軽さがメリットになりますが、それ以外のノズルで圧を掛けて使う物は軽量性が必ずしもメリットにはならないと考えています。

ノズルに圧を掛けて噴霧すると、噴霧方向とは反対側に反発しますよね。

作業中はその反発力によってノズルがすごく重く感じますし、そこにぶら下がってるホースの重量も加わるので、長尺パイプ以外のノズルはカーボン素材採用による軽量性のメリットは小さいです。

そんな単純なこと、ノズル製造のプロであるヤマホさんがわかってないはず無いんですが、それでもカーボン採用のノズルは沢山ラインナップしています。

つまり、カーボン採用には軽さ以外のメリットが大きいんですね!

冒頭でカーボン素材についてすこし触れたの、覚えてらっしゃいますか?

カーボン素材は鉄よりも重量が1/4と軽く、なおかつ10倍の強度を持つんですね。

そう、強度です。

カーボンノズルの真髄はその「強さ」なんですね。

これは以前ある防除用品メーカーさんにお聞きしたのですが、カーボンがどのくらい強いのか実験としてカーボンパイプ単体を地面に置いて2tトラックで轢いてみたそうです。

「流石に割れるよね~」っと思いつ結果を確認して見ると……全然割れていない! カーボンすげぇ! なんてエピソードが。

そのくらいカーボンは硬いんですね。

 

つまりカーボンパイプ採用のノズルは高耐久で鉄パイプのものよりも長く使えると。まだまだ出たばかりで実際の耐用年数はわかりませんが、これは期待して良いのではないでしょうか。

確かにカーボン採用のノズルって従来の鉄パイプのものより価格がお高いですが、従来品より長く使えるなら選択肢として全然アリだと思います。

ご興味のある方はこちらからどうぞ。

●画像ALT●ヤマホ カーボン採用ノズル一覧

 

商品一覧を見る

 

 

 

あとがきと言う名の余談

「そんなにカーボンが優れてるなら刈払機のパイプのカーボンにすればいいじゃん!」って思いますよね。

じつは昔あったんです、カーボンパイプの刈払機。

僕も修理で何度か実機を見た事があるのですが、ゼノアのBC2300と言う名作刈払機にカーボンパイプの設定があったんですよね。

ピンク色の塗装がされたパイプでEX仕様とかって名称だったかな? パイプに貼られた型番のステッカーに「カーボンパイプ」って書いてたような記憶もあります。

BC2300シリーズの生産終了が2000年なので、今から軽く20年以上前にすでに開発されてたんですね。時代先取り過ぎです、ゼノアさん。

でも、皆さんご存知の通り、大手刈払機メーカーからは現在カーボンパイプの刈払機って発売されていませんよね。 そう、お察しの通り刈払機へのカーボンパイプ採用は失敗だったんです(泣)

カーボンって軽くて強度もあるのですが、傷が弱点なんですよね。カーボン繊維の外側は塗装で覆われている事が殆どですが、この塗装を超えてカーボン繊維に傷が入ると負荷をかけた時に一気に破断することがあります。同じくカーボン繊維で出来た釣り竿が折れてしまうのもこのパターンが多いです。

防除ノズルであればそのような大きな傷は入りにくいですが、刈払機の場合は飛び石や硬い物にぶつけてしまったりなんて事もありますからね。僕が見たBC2300のカーボンパイプ仕様も最後はパイプが折れてご臨終してました。

あとはメーカー側(作る側)からすると振動がコントロールしにくかったり、雷からの感電事故が心配だったりとそういった理由もあるのではと思います。

そんなわけで、刈払機のパイプの軽量素材にはアルミ合金であるジュラルミンが採用されるようになったんですね。カーボンには負けますが、ジュラルミンもアルミより1.5倍ほど強度がある軽量な金属ですからね。刈払機の軽量化と耐久性UPではカーボンよりジュラルミンが適しているんですね。

ただ、カーボンパイプ刈払機は20年以上前のチャレンジです。今ならもっと皮膜強度の高い塗料もあるでしょうし、カーボンも安価になってきています。もしかしたら帯電しにくい塗料や、通電しにくいカーボンパイプを製造出来る日もくるかもしれません。

いつの日かまた、ゼノアや共立など大手刈払機メーカーからカーボンパイプ仕様が出て来る事を期待しています。

それでは、また次回。

 

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