もうすぐ4月ですね。日中はかなり暖かくなり、すごしやすくなりましたが花粉が大変です。みなさまいかがお過ごしでしょうか、アグリズバイヤー ボブです。
そろそろ、模様替えをしないといけないのですが、休みと雨が重なってしまってなかなか思うように進んでいません。今の時期は窓をおおっぴらに開けられない(主に花粉のせいで)事も合って掃除も進まないし困ったものです。空気清浄機が欲しいと思う今日この頃です。
今日のブログはナイロンカッターと刈払機の適正についてのご紹介です。
刈払機のナイロンカッター適性については、よくご質問を頂く点でもございますので、刈払機の仕組みとナイロンカッターを使う上での影響などを少しご紹介させていただきたいと思います。
みなさまは草刈作業にナイロンカッターを使用しますか?
ナイロンカッターはチップソーや金属刃と違い「刃物」ではありませんので安全で、どなたでもお手軽に使用できます。
こうした「お手軽」なイメージを持つナイロンカッターですが、実は刈払機にとっては金属刃やチップソーよりも作業負荷が大きくなっていることはあまり知られていないのではないでしょうか?
ナイロンカッターの作業負荷が大きくなる原因は、カッター部が刃物ではない、コードを含めた外周が大きい、予備のコードをカッター内に巻きつけている分、カッター自体の重量が重いなどが上げられます。
御存知の方もいらっしゃると思いますが、ナイロンカッターは様々な形状のナイロン製のコードを高速で回転させることにより、草を引きちぎるようにして刈り取って行きます。
刃物ではないので、草にあたると抵抗がかかり、その抵抗に対応できるだけのパワーがないとエンジンの回転は下がっていきます。
回転が下がると、ナイロンカッターの回転力も低下するので、コードが草に絡みやすくなり、ますます回転が落ちてしまいます。
また、外周が大きい、重量があるという点は、草刈機のレスポンスを低下させます。簡単に申し上げますと、「回転が上がるのに時間が掛かる」ということになります。
刈払機による作業は、右から左に刈払いまた右に戻しますが、この際、刈払機のレスポンスが落ちていると、回転が十分に戻らないまま作業を続けてしまう事にもなります。
刈払機はエンジンの回転運動を、「遠心クラッチ」でシャフトに伝えています。
遠心クラッチは、アイドリング時は②番の中央のスプリングに引かれシュー(①番)は閉じていますが、回転が上がるにつれ、遠心力が掛かりシューが開きクラッチドラムに接触し回転を伝えています。つまり、クラッチシューとドラムの摩擦によって回転を伝えているのです。
回転が高くなり、遠心力が強く働く程、クラッチシューとクラッチドラムの接地力は強くなりますが、回転が下がると遠心力が低下し接地力が下がりクラッチが滑り始めます。
クラッチのすべりが発生している状態で、草刈作業の抵抗が大きくなるとクラッチドラム側とクラッチシュー側に回転差が生じ、摩擦熱が発生します。
この摩擦熱が、クラッチドラムを軸を支えているベアリングにダメージを与え故障の原因にもなってしまいます。
以上の点から、アグリズではお客様がナイロンカッター使用の前提で刈払機をお選びになる場合のポイントとして以下の点にご注意いただくようにお願いしています。
ポイント1:ナイロンカッターの抵抗に負けないパワーがあるか。または、刈払機に適した大きさのナイロンカッターであるか。
ナイロンカッターの作業負荷に対抗できるパワーが必要になりますので、26ccクラス以上が理想です。小型~中型排気量の場合、なるべく負担を少なくするため軽量なカッターを選ぶようにすると良いでしょう。
ポイント2:遠心クラッチとベアリングを覆っているハウジングは金属製または耐熱樹脂であるか。
安価なモデルや、軽量の刈払機に用いられることの多い樹脂製のハウジングは熱に弱く、摩擦熱で変形しやすくなります。
変形してしまうと、ハウジングをアッセンブリで交換する必要があるため修理費が高くなります。
また、ナイロンカッターを使って作業するうえで大切な事としては、
1.ナイロンコードの出しすぎにご注意、長くても10cmぐらいにして下さい。
ナイロンコードを出しすぎると抵抗が大きくなり、回転が落ちやすくなります。特に小排気量の刈払機でご使用の場合は厳守するようにしましょう。
2.エンジンの回転は高めでご使用下さい。
先に述べましたとおり、ナイロンカッターは負荷が大きいため、回転が落ちやすくなります。また動力を確実に伝える意味でもエンジンの回転は高めでご使用下さい。
意外に負荷の大きいナイロンカッターですが、使う場所や状況によっては非常に便利なアイテムであることは間違いありません。
出しすぎに注意する事と回転を高めで使っていただくことで、故障は減らせると思いますのでナイロンカッター愛好家のお客様は一度お試し下さいませ。
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